オンライン研修だからこそできるコーピングレパートリー・バンク
前回の記事に引き続き、今回もオンライン研修会へ参加しました。
今回参加したのは、「withコロナにおける コーピングレパートリー・バンク#1」
withコロナにおける コーピングレパートリー・バンク #1 | Peatix
今回参加したオンライン研修会の感想と、今回作成されたコーピングレパートリーの個人的使用方法(セルフケアや臨床)を書いていきたいと思います。
オンライン研修会の目的
主催者側の目的
withコロナということで、人々の行動レパートリーの幅が狭まらざるを得なくなっています。
せっかく空いた時間があっても、中々休みの取れなかった我々ですから、どう使って良いのかうまくわかりません。心理カウンセリングの用語で言えば、これまでできていたような楽しみ(行動レパートリー)や、ストレス対処(コーピング)に支障をきたしている状態なのです。
このような状態なので、多くの人からのコーピングを募り、コーピングレパートリーバンクを作成する目的で、このオンライン研修会が行われたようです。
参加者側の目的
参加者の人がどのようなコーピングをしているのか、どのようなコーピングがあるのかを知ることと、コーピングレパートリーの臨床での活用方法を知りたいと思い、参加しました。
オンライン研修 コーピングレーパートリーバンクのやり方
今回のオンライン研修は以下のような流れで行われました。
コーピングとは?
まず、2人の講師の先生から、コーピングについての基本的な講義がありました。
コーピングサイコロ
伊藤絵美先生がコーピングサイコロの作成方法を紹介していました。
コーピングリストを作成しても、どのコーピングを行うか選べない、踏み切れない場合にサイコロを振って出た目のコーピングを行うようです。
コーピングサイコロの作り方は以下のサイトをご覧ください
https://www.stress-coping.com/
コーピングについては、一応以前の記事に書いているので、それも併せて見てみてください。
sinri-psychology.hatenablog.com
参加者とコーピングレパートリーの案出
落ち込んだ時に役に立ったコーピングは?など、いくつかのお題に対して参加者がそれぞれのコーピングを出していき、それに対して2人の先生があれやこれやとお話していきました。
参加者から出されたコーピングは「mentimeter」を使って、リアルタイムに見ることができました。
この機能を使うことによって、講師の先生は参加者からリアルタイムで出されたコーピングを見て、解説や意見、質問ができ、参加者も先生からのコメントを踏まえてさらにコーピングを出していました。
オンライン研修会の感想
コーピングの幅広さを知った
コーピングは意図的に行っていて、結果的に効果があれば、すべてがコーピングです。参加者の方々からの意見を見て、「それもコーピングか!?」、「そんなこともしているんだ!?」と驚きました。
詳しい内容を見たい方は、こちらからダウンロードすることができます。
https://cbtcenter.jp/blog/?itemid=2555
オンライン研修会と今までの研修会との違い
今回のオンライン研修会では、mentimeterという機能を使って、参加者からのリアルタイムでの反応を拾い上げて、講師が話し、それを受けて、また参加者が反応を返すという双方向なやり取りをとても感じられました。
これは今までの研修会ではできず、オンライン研修会だからこそできるやり方だと思います。今後はこのようなやり方での研修会が増えてくるのではないかと思います。
講師の先生の反応、聞き方
お二人の講師の先生がどんなコーピングでも、「いいですね」、「私もやってます」と、肯定的に捉えているのが印象的で、ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)で、例外やリソースを聞いている時と似ているなと感じました。
きっと実際のカウンセリング場面でもこんなふうにして聞いているんだろうなぁと、それこそ妄想的認知をしていました。
コーピングレパートリーの活用方法
自分のストレスマネジメントへの活用
コーピングはたくさんある方が、ストレスに対処できるけど、自分が思いつくコーピングには限界があるので、他の方々のコーピングを聞き、試してみようと思ったものは自分のコーピングリストに加えようかな。
行動的コーピングは思いつくし、実践もできるけど、認知的コーピングは自分が何気なくやっていることだと気づきにくかったり、新しいことを思いつかなかったりするので、他の方々の認知的コーピングから学ぶことが多かったです。
コーピングレパートリーの臨床的活用
ダウンロードできる「コーピング・レパートリー バンク ina ver.1.03」は、あまりにもコーピングの数が多いので、これをそのまま使用するのはちょっと難しいかな。
例えば、なかなか自分のすでにやっているコーピングが出てこない方に、今回のコーピングレパートリー・バンクを見せて、その中から自分もやっているコーピングを選んでもらうとかはいいかもしれない。
他にも、「こういうのもコーピングなんですよ」、「例えば、こういうことをコーピングとしてやっている人もいるんですよ」と、例として提示することはできるかな。
自分の行動の方に焦点が行きやすい傾向の方もいるので、そういう人には特に、認知的コーピングの例として出すのはいいかもしれない。
要するに、今回の研修会で学んだことを活用して試してみて、その結果、効果があれば、それも新しいコーピングということですよね。
今回の研修のタイトルが「withコロナにおける コーピングレパートリー・バンク#1」と、最後に#1とついているので、2回目があることを期待したいと思います。
まとめ
・オンライン研修会だからこそできるやり方がある
・意図的に行い、効果があれば何でもコーピング
・自分のストレスマネジメントにも、臨床場面にも活用できそう