心理学ブログ

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ゲーム障害やネット依存などの依存を中心に、30代半ばの中堅公認心理師(臨床心理士)が心理学の知識や関連する話題などについて書いていきます

カウンセリングを申し込むタイミングは?

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 「カウンセリングっていつ受けたらいいんですか?」
このような質問をよくされます。
今、これを読んでいる人の中には、もしかしたらカウンセリングの申し込みを考えている人もいるかもしれません。
「カウンセリング受けた方がいいのかな」
「でも、まだカウンセリングを受けるほどでもないかもしれないし」
「こんな大したことない相談でもいいのかな?」
などと、思っているかもしれません。

そんな人のために、カウンセリングを申し込むタイミングについて書いていきます。

カウンセリングを申し込むタイミングはいつがいいの?

一言で端的に答えると、
カウンセリングを受けようかなとあなたが思った時
それが、カウンセリングを受けたらいいタイミングです。
でも、できるだけ状態が悪くなる前、状況が深刻になる前に、早めに受けた方が良いと思います。

カウンセリングを受けるタイミングは、カウンセリングを受ける目的によります。
カウンセリングを受ける目的を、タイミングを軸にすると、以下のように考えられます。

予防的目的

明らかに困ったり、問題が起こったりする前に、事前の備えのためにカウンセリングを受けます。
カウンセリングを実際に受ける人は、この後で書く1-2のタイミングの方が多いでしょう。

自分の状態を確認

例えて言えば、健康診断や歯科健診みたいな感じ

身体に問題がなくても1年に1回受けますよね。
コロナの影響でいつもよりだいぶ遅くなったのですが、ちょうどこの前、自分の職場で健康診断がありました。
また、住んでいる役所から歯科健診のお便りがきていました。無料で受けられるので行ってこようと思います。
健診の結果で、”異常なし”であれば、「自分は健康なんだ」という安心感に繋がりますよね。

会社であれば、1年に1回「ストレスチェック」が行われています。
詳しくは以下のサイトををチェック

ストレスチェック制度について|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
しかし、このストレスチェックは職場での高ストレス者を発見し、メンタルヘルス不調を未然に防ぎ、より働きやすく健康的な職場へと改善することを目指して行われるものです。
なので、職場以外でのストレスがある場合はあまりチェックできないです。

ネット上には、○○チェックリストといった、心理検査(心理テスト)が沢山あって、実際のカウンセリングでも使われている心理検査もあります。
それであれば自分の状態をチェックできますが、その一方で、血液型診断みたいなものもありますので、ご注意ください。

健診的な目的でカウンセリングを受けることがもっと広がったら良いなと思います。
もしカウンセリングが継続的に必要だったとしても、早期発見・早期支援ができますから。

対処に備える

例えて言えば、フィットネスジム(スポーツジム)に通って、筋トレやストレッチをして病気になりにくい体を作る感じ。
フィットネスジムやヨガスタジオって流行っていますよね。
身体疾患の予防に関しては、自分自身で探して、お金や時間をかけて行いますよね。
そんな感じで、メンタルヘルスに関しても予防の観点が認知されていくといいのになと思います。

〇予防のための具体例

身体の病気やケガの予防のためにジムで運動したり、ランニングしたりするのはイメージしやすいですが、メンタルヘルスの予防と言われて、イメージできますか?

予防のための方法の1つとして、自身のコーピングリストの作成が考えられます。

sinri-psychology.hatenablog.com ・すでに自分が行っているコーピング(対処行動)をたくさんリストにしておく
・コーピングを試し、このストレスには、このコーピングが効果があると確かめておく
・新たなストレスが発生した時に、コーピングリストの中からコーピングを選び、試してみる
・ストレスが解消されたか確かめてみる

具合が悪くなってから、対処の方法を考えるのは大変なので、事前に対処方法を備蓄しておけると、いざという時に役に立ちます。

対処目的

明らかに困ったり、問題が起きている時に、対処方法などを相談するためにカウンセリングを受けます。
実際に困ったり、何らかの問題が起きた時に、それをどうにかしたくてカウンセリングに申し込む人の方が多いです。

このタイミングでカウンセリングを申し込まれた場合は、状況をお伺いしながら、一緒に対処方法などを検討していくことが多いです。
おそらく皆さんがイメージするカウンセリングは、これに当てはまると思います。

フォローアップ目的

例えて言えば、術後の経過観察のような感じ。
問題が解決されたり、対処できるようになった状態が継続しているかを確認するためのカウンセリングです。
例えば、起きていた問題は解決したり、対処できるようになったが、また同じようなことが起こった場合に備えておく必要があります。
その場合、問題を解決した方法やそのために使ったリソース(資源)などを振り返り、同じようなことが起こった時に、それらを使えるようにしておきます。

まとめ

・カウンセリングを申し込んだ方がいいのかなと思った時が、申し込むタイミング
・カウンセリングを申し込むタイミングでできるだけ早い方がいい
・カウンセリングを受ける目的(予防、対処、フォローアップ)によって、受けるタイミングは異なる

この記事を読んで、気になった方はこちらも併せてご覧ください。

www.yamakioffice.com