生物心理社会モデル
生物心理社会モデル(bio-psycho-social model)はジョージエンゲルが1977年に提唱した、人間の疾患を包括的に理解し、アプローチするためのモデルです。
このモデルは疾患を生物的要因からだけではなく、個人の心理的要因、個人を取り巻く社会的要因の3つの要因から総合的に捉え、介入アプローチを考えます。
生物心理社会モデルの特徴は、①3つの側面から、さまざまな関連要因を包括的に扱っている点、要因どうしが複雑に相互用しあって個人に影響を及ぼしていると考える点です。
このモデルを活用することにより、個人の身体的・精神的疾患に対して多面的なアプローチが可能となり、介入や援助をさまざまなレベルで提供しやすくなります。
3つの要因とは以下のようになります。
●生物的要因
生得的疾患、発達特性、身体症状、生来的気質など
●心理的要因
感情、認知、ストレス、自己効力感、対処行動、無意識など
●社会的要因
家族との関係、社会(学校、職場、コミュニティ)との関係、福祉、ソーシャルサポート、経済的状況、居住地や属しているコミュニティの風土や慣習など
カウンセラーは心理的要因を重視しやすく、生物的要因、社会的要因が抜け落ちやすいと思います。
相談者のさまざまな要因を包括的にアセスメントし、それぞれの要因へのアプローチができることが、重要です。