心理学ブログ

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心理学の知識や関連する話題などについて書いていきます

カウンセリングを申し込むタイミングは?

 「カウンセリングっていつ受けたらいいんですか?」
このような質問をよくされます。
今、これを読んでいる人の中には、もしかしたらカウンセリングの申し込みを考えている人もいるかもしれません。
「カウンセリング受けた方がいいのかな」
「でも、まだカウンセリングを受けるほどでもないかもしれないし」
「こんな大したことない相談でもいいのかな?」
などと、思っているかもしれません。

そんな人のために、カウンセリングを申し込むタイミングについて書いていきます。

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カウンセリングを申し込むタイミングはいつがいいの?

一言で端的に答えると、
カウンセリングを受けようかなとあなたが思った時
それが、カウンセリングを受けたらいいタイミングです。
でも、できるだけ状態が悪くなる前、状況が深刻になる前に、早めに受けた方が良いと思います。

カウンセリングを受けるタイミングは、カウンセリングを受ける目的によります。
カウンセリングを受ける目的を、タイミングを軸にすると、以下のように考えられます。

予防的目的

明らかに困ったり、問題が起こったりする前に、事前の備えのためにカウンセリングを受けます。
カウンセリングを実際に受ける人は、この後で書く1-2のタイミングの方が多いでしょう。

自分の状態を確認

例えて言えば、健康診断や歯科健診みたいな感じ

身体に問題がなくても1年に1回受けますよね。
コロナの影響でいつもよりだいぶ遅くなったのですが、ちょうどこの前、自分の職場で健康診断がありました。
また、住んでいる役所から歯科健診のお便りがきていました。無料で受けられるので行ってこようと思います。
健診の結果で、”異常なし”であれば、「自分は健康なんだ」という安心感に繋がりますよね。

会社であれば、1年に1回「ストレスチェック」が行われています。
詳しくは以下のサイトををチェック

ストレスチェック制度について|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
しかし、このストレスチェックは職場での高ストレス者を発見し、メンタルヘルス不調を未然に防ぎ、より働きやすく健康的な職場へと改善することを目指して行われるものです。
なので、職場以外でのストレスがある場合はあまりチェックできないです。

ネット上には、○○チェックリストといった、心理検査(心理テスト)が沢山あって、実際のカウンセリングでも使われている心理検査もあります。
それであれば自分の状態をチェックできますが、その一方で、血液型診断みたいなものもありますので、ご注意ください。

健診的な目的でカウンセリングを受けることがもっと広がったら良いなと思います。
もしカウンセリングが継続的に必要だったとしても、早期発見・早期支援ができますから。

対処に備える

例えて言えば、フィットネスジム(スポーツジム)に通って、筋トレやストレッチをして病気になりにくい体を作る感じ。
フィットネスジムやヨガスタジオって流行っていますよね。
身体疾患の予防に関しては、自分自身で探して、お金や時間をかけて行いますよね。
そんな感じで、メンタルヘルスに関しても予防の観点が認知されていくといいのになと思います。

〇予防のための具体例

身体の病気やケガの予防のためにジムで運動したり、ランニングしたりするのはイメージしやすいですが、メンタルヘルスの予防と言われて、イメージできますか?

予防のための方法の1つとして、自身のコーピングリストの作成が考えられます。

sinri-psychology.hatenablog.com ・すでに自分が行っているコーピング(対処行動)をたくさんリストにしておく
・コーピングを試し、このストレスには、このコーピングが効果があると確かめておく
・新たなストレスが発生した時に、コーピングリストの中からコーピングを選び、試してみる
・ストレスが解消されたか確かめてみる

具合が悪くなってから、対処の方法を考えるのは大変なので、事前に対処方法を備蓄しておけると、いざという時に役に立ちます。

対処目的

明らかに困ったり、問題が起きている時に、対処方法などを相談するためにカウンセリングを受けます。
実際に困ったり、何らかの問題が起きた時に、それをどうにかしたくてカウンセリングに申し込む人の方が多いです。

このタイミングでカウンセリングを申し込まれた場合は、状況をお伺いしながら、一緒に対処方法などを検討していくことが多いです。
おそらく皆さんがイメージするカウンセリングは、これに当てはまると思います。

フォローアップ目的

例えて言えば、術後の経過観察のような感じ。
問題が解決されたり、対処できるようになった状態が継続しているかを確認するためのカウンセリングです。
例えば、起きていた問題は解決したり、対処できるようになったが、また同じようなことが起こった場合に備えておく必要があります。
その場合、問題を解決した方法やそのために使ったリソース(資源)などを振り返り、同じようなことが起こった時に、それらを使えるようにしておきます。

まとめ

・カウンセリングを申し込んだ方がいいのかなと思った時が、申し込むタイミング
・カウンセリングを申し込むタイミングでできるだけ早い方がいい
・カウンセリングを受ける目的(予防、対処、フォローアップ)によって、受けるタイミングは異なる

この記事を読んで、気になった方はこちらも併せてご覧ください。

www.yamakioffice.com

オンライン研修だからこそできるコーピングレパートリー・バンク

前回の記事に引き続き、今回もオンライン研修会へ参加しました。
今回参加したのは、「withコロナにおける コーピングレパートリー・バンク#1
withコロナにおける コーピングレパートリー・バンク #1 | Peatix

今回参加したオンライン研修会の感想と、今回作成されたコーピングレパートリーの個人的使用方法(セルフケアや臨床)を書いていきたいと思います。

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オンライン研修会の目的

 

主催者側の目的

withコロナということで、人々の行動レパートリーの幅が狭まらざるを得なくなっています。
せっかく空いた時間があっても、中々休みの取れなかった我々ですから、どう使って良いのかうまくわかりません。

心理カウンセリングの用語で言えば、これまでできていたような楽しみ(行動レパートリー)や、ストレス対処(コーピング)に支障をきたしている状態なのです。

このような状態なので、多くの人からのコーピングを募り、コーピングレパートリーバンクを作成する目的で、このオンライン研修会が行われたようです。

参加者側の目的

参加者の人がどのようなコーピングをしているのか、どのようなコーピングがあるのかを知ることと、コーピングレパートリーの臨床での活用方法を知りたいと思い、参加しました。

オンライン研修 コーピングレーパートリーバンクのやり方

今回のオンライン研修は以下のような流れで行われました。

コーピングとは?

まず、2人の講師の先生から、コーピングについての基本的な講義がありました。

コーピングサイコロ
伊藤絵美先生がコーピングサイコロの作成方法を紹介していました。
コーピングリストを作成しても、どのコーピングを行うか選べない、踏み切れない場合にサイコロを振って出た目のコーピングを行うようです。
コーピングサイコロの作り方は以下のサイトをご覧ください
https://www.stress-coping.com/

コーピングについては、一応以前の記事に書いているので、それも併せて見てみてください。

sinri-psychology.hatenablog.com

参加者とコーピングレパートリーの案出

落ち込んだ時に役に立ったコーピングは?など、いくつかのお題に対して参加者がそれぞれのコーピングを出していき、それに対して2人の先生があれやこれやとお話していきました。

参加者から出されたコーピングは「mentimeter」を使って、リアルタイムに見ることができました。
この機能を使うことによって、講師の先生は参加者からリアルタイムで出されたコーピングを見て、解説や意見、質問ができ、参加者も先生からのコメントを踏まえてさらにコーピングを出していました。

オンライン研修会の感想

コーピングの幅広さを知った

コーピングは意図的に行っていて、結果的に効果があれば、すべてがコーピングです。参加者の方々からの意見を見て、「それもコーピングか!?」、「そんなこともしているんだ!?」と驚きました。
詳しい内容を見たい方は、こちらからダウンロードすることができます。
https://cbtcenter.jp/blog/?itemid=2555

オンライン研修会と今までの研修会との違い

今回のオンライン研修会では、mentimeterという機能を使って、参加者からのリアルタイムでの反応を拾い上げて、講師が話し、それを受けて、また参加者が反応を返すという双方向なやり取りをとても感じられました。
これは今までの研修会ではできず、オンライン研修会だからこそできるやり方だと思います。今後はこのようなやり方での研修会が増えてくるのではないかと思います。

講師の先生の反応、聞き方

お二人の講師の先生がどんなコーピングでも、「いいですね」、「私もやってます」と、肯定的に捉えているのが印象的で、ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)で、例外やリソースを聞いている時と似ているなと感じました。
きっと実際のカウンセリング場面でもこんなふうにして聞いているんだろうなぁと、それこそ妄想的認知をしていました。

コーピングレパートリーの活用方法

自分のストレスマネジメントへの活用

コーピングはたくさんある方が、ストレスに対処できるけど、自分が思いつくコーピングには限界があるので、他の方々のコーピングを聞き、試してみようと思ったものは自分のコーピングリストに加えようかな。

行動的コーピングは思いつくし、実践もできるけど、認知的コーピングは自分が何気なくやっていることだと気づきにくかったり、新しいことを思いつかなかったりするので、他の方々の認知的コーピングから学ぶことが多かったです。

コーピングレパートリーの臨床的活用

ダウンロードできる「コーピング・レパートリー バンク ina ver.1.03」は、あまりにもコーピングの数が多いので、これをそのまま使用するのはちょっと難しいかな。
例えば、なかなか自分のすでにやっているコーピングが出てこない方に、今回のコーピングレパートリー・バンクを見せて、その中から自分もやっているコーピングを選んでもらうとかはいいかもしれない。

他にも、「こういうのもコーピングなんですよ」、「例えば、こういうことをコーピングとしてやっている人もいるんですよ」と、例として提示することはできるかな。
自分の行動の方に焦点が行きやすい傾向の方もいるので、そういう人には特に、認知的コーピングの例として出すのはいいかもしれない。

要するに、今回の研修会で学んだことを活用して試してみて、その結果、効果があれば、それも新しいコーピングということですよね。
今回の研修のタイトルが「withコロナにおける コーピングレパートリー・バンク#1」と、最後に#1とついているので、2回目があることを期待したいと思います。

まとめ

・オンライン研修会だからこそできるやり方がある
・意図的に行い、効果があれば何でもコーピング
・自分のストレスマネジメントにも、臨床場面にも活用できそう

オンライン研修会 心のサポートWEB研修・情報交換会

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今までのいくつかの記事にも書いていますが、新型コロナウイルス感染防止のため、様々な研修が中止になっています。

sinri-psychology.hatenablog.com
その代わりにオンラインでの研修会や講習会が開催されるようになりました。
今回のオンライン研修会に参加した感想と、オンラインで研修会に参加することのメリットやデメリットについて書きたいと思います。

【第三弾】COVID-19 心のサポートWEB研修・情報交換会

今回はアジア災害トラウマ学会の【第三弾】COVID-19 心のサポートWEB研修・情報交換会に参加しました。
先月4月26日に第二弾があり、それに続いて2回目の参加でした。
しかも、前回も今回も参加費は無料!

アジア災害トラウマ学会とは

アジア災害トラウマ学会は、ホームページで以下のように紹介しています。

アジア各国からの実践活動報告,被災者の発表,基礎研究発表、さらに各国独自のトラウマ治療理論や危機介入技術の紹介などを通して、アジアにマッチした「災害後のこころのケア」を創造していく国際学術団体です。

https://www.asdt.net/about

研修会の目的

今回のオンライン研修会は以下の目的で行われました。

第三回では、医療・教育・福祉の三分野から、これまでの緊急事態宣言下での実践、現場で感じておられること、また6月以降に活用できる知見や実践をご紹介いただき、皆様と共有する機会を得ることができればと思っております。
ぜひ多くの方にご参加いただき、先の見えない事態においても、全国に仲間がいることを感じ、知恵や情報を通わせながら、励ましあって歩む機会になればと願っております。

研修内で出された個別の事例や実践については、守秘義務がありますので、ここでは参加して感じた個人的感想を書いていきたいと思います。
内容については、後日HP上にアップされるかもしれませんので、そちらをチェックしてください。

ちなみに、先月行われた【第二弾】COVID-19心のサポートWEB研修・情報交換会のまとめ、当日使用された資料がアップされています。
こちらも良かったらご覧ください。

https://www.asdt.net/post/20200429

今回の研修会に参加した感想

・各分野での新型コロナ感染症に関する心理的支援の活動が知れた
今回は、医療、教育、福祉の分野の先生方が、それぞれの分野での活動を報告してくださいました。
なかなか他の方々が、どのような心理的支援を行っているのかを普段知れないので、今回の研修会は非常に勉強になりました。
様々な心理的支援の方法を知り、取り入れられるものはぜひ取り入れていきたいと思います。

・興味、関心を持っている心理支援専門職の方々が大勢いることが知れて刺激になった
今回は400人近い人が参加していたようです。
こんなに多くの心理支援の専門家が興味・関心を持って参加していることは非常に刺激になりました。
興味・関心を持っている方々なので、チャットでのやり取りも活発で、いろんな情報を知ることが出来ました。
このようにチャットでいろいろな人達とやり取りができるのはオンラインならではですね。

オンライン研修会のメリット、デメリット

今までに参加したオンライン研修会も含めて個人的に感じた、メリットとデメリットを以下に挙げます。

オンライン研修会のメリット

・質問しやすい、意見を言いやすい
実際の研修では、質問したいことがあったとしても、場合によっては元々決められた時間までは質問ができないことがあります。
オンライン研修会では、質問があれば、その場でチャットに送ることが出来ます。
しかも、その質問に対して普通であれば講師の先生しか答えないですが、チャットの場合だと他の人も答えることが出来るので、他の人の意見や情報も知ることが出来るのは大きな利点だと思います。

・移動時間、移動費の削減
研修会場までの移動時間が削減できます。
参加してみたい研修会があっても場所が遠くて断念した経験は皆さんあると思いますが、オンライン研修会ではそういうことがありません。
また、移動費が一切かからないため、特に学生は参加しやすくなると思います。

・参加費が安くすむ
オンライン研修会の場合、実際に会う研修会に比べると値段が安いことが多いです。
その理由としては、会場費がかからない又は安くてすむからだと思います。
また講師を外部の人にお願いする場合、講師料の他に移動費や宿泊費などもかかりますが、オンラインであればそれらのなくてすむため、その分安くできるのだと思います。

・様々な地域の講師、参加者が参加しやすい
移動時間や移動費がかからないため、例えば、海外にいる方に講師をお願いすることも比較的しやすくなります。
また、参加者も国外にいる人も参加しやすくなります。そのため、例えば、北海道ではこういうふうにやってます、沖縄ではこういうふうにやってます、アメリカではこうやってますというのが、講師や参加者から情報共有しやすくなります。

オンライン研修会のデメリット

・講義型になりやすい
ロールプレイやグループワークなどのワークショップ型の研修会はしにくいので、研修会のやり方が講義型に限られてしまいます。
参加者がワークをやって、講師からフィードバックを受けることがしにくく、講師が一方向的に伝える形になりやすいです。

・通信環境の制限を受ける
通信環境が良くないと止まってしまって、時間を無駄にしてしまったり、講師の話が聞きにくかったりといったことがあります。
また、動画と音声にラグが発生して、講師の表情と言葉がずれることで、微妙なニュアンスが伝わりにくいといったこともあります。

・集中力の維持が難しい
今までの研修会では一つの場所に同じ目的で集まった人がいることで集中力やモチベーションが維持されやすかったですが、家で一人で聞いていると、誰の目もなく、怠けてしまえる環境であるため、集中力を維持するのが大変になります。

・インフォーマルな交流がしにくい
講師に質問するほどではないが、参加者と共有したいことなどは、休憩時間やお昼休みなどの時に話ができましたが、オンライン研修会ではそれがしにくいです。

・地方研修会ならではの楽しみができない
地方研修会に行くと、その土地の物を食べたり、飲んだりすることが楽しみな人もいるでしょう(そちらが主の目的になっている人もいるかもしれませんが)。
お土産を買ったり、観光名所を観に行くといった楽しみも出来なくなります。

まとめ

今回は、アジア災害トラウマ学会【第三弾】COVID-19 心のサポートWEB研修・情報交換会に参加した感想と、オンライン研修会のメリット、デメリットについて書きました。

・新型コロナ感染症に関する心理的支援の実際が知れた
・オンライン研修には、質問しやすい、費用や移動時間の面から参加しやすくなるなどのメリットがある
・その一方で、講義型になりやすい、通信環境の影響、集中力の維持の難しさなどのデメリットがある

緊急事態宣言が全国で解除され、少しずつ休業要請も緩和されつつあります。
この状況が続けば、実際に集まる研修会も少しずつ開催されていくかもしれませんが、しかし、いつ第2波、第3波が来て、再び実際に集まる研修会が出来なくなるかわかりません。そのため、今後、新しい研修様式が作られてくるのではないかと思います。

インターネット依存・ゲーム障害への心理支援②

研修会の中止

 以前の記事で、「インターネット依存・ゲーム障害への心理支援」が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止の観点から実施が見送られましたことは書きましたが、6月7日(日)に開催予定であった明治安田生命こころの健康財団「子ども・子育てフォーラム−インターネット依存症 予防と支援−」も中止になってしまいました

 この研修は日本のインターネット依存やゲーム障害の先駆的病院である久里浜医療センターから、心理の先生が講演されるので非常に楽しみにしていたので中止になってとても残念です(しかも参加費がなんと無料だったのに!)

 このコロナ禍により研修会の中止が相次ぎ学ぶ機会が減ってしまっているのが残念です。自分なりに調べてまとめ、アウトプットすることで学習の機会にしたいと思います。

ゲーム障害の定義のおさらい

 #6インターネット依存・ゲーム障害への心理支援では、主にゲーム障害の症状や特徴、診断基準についてお伝えしました。

 ゲーム障害の定義は主に以下の3点です。
・ゲームのコントロールができない(やめられない)
・他の生活よりもゲームが優先される
・ゲームを続けることにより、自分や周囲に支障が出ている
より詳細な内容を知りたい人は以前の記事をご覧ください。

sinri-psychology.hatenablog.com

ゲーム障害とは?実態や対応方法について

 コロナ休校により子どもは学校に行けず、ずっと家にいる生活が続いています。それによりゲームやインターネットをする時間が増え、学校が再開されても学校に行けない子が増えるのではないかと懸念されています。
 そのようなことが懸念されてる時期ですので、保護者や家族、教育関係者や子どもを支援する支援者のために、ゲーム障害の実態や予防、対応方法についてまとめていきます。

ゲーム障害の実態

 ネット依存を疑われる中学・高校生の割合は2012年から2017年の間に増加しており、中高生全体では14.2%がネット依存が疑われる状態でした。
 この結果から、ネット依存の推計値は52万人(2012年)⇒93万人(2017年)に増加していると推計されています

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厚生労働省「ゲーム依存症対策関係者会議」資料2「ゲーム障害について」

ゲーム障害の兆候

 ゲーム障害は早めに対処することが大切です。早めに対処するためには兆候を知り、見過ごさないようにしましょう。ゲーム障害の兆候としては、以下のことが言われています。

  • ゲームの時間が長くなる
  • 夜中まで続ける
  • 朝起きられない、学校や会社に遅刻しそうになる(遅刻する)
  • ゲームのことを気にする
  • ほかのことへ興味を示さなくなる
  • ゲームのことを注意すると激しく怒る
  • ゲームができないと、いらいらしたり、不安になる

 これらの兆候のいくつかに当てはまる時は、注意しましょう。注意してゲームの時間が減ることもあります。減らない場合は専門家への相談を検討しましょう。

 また、ネット依存かどうかを見る1つのツールとして、スクリーニングテストがあります。これだけでネット依存かどうかを判断するわけではありませんが、1つの目安になるでしょう。

依存症スクリーニングテスト一覧 | 病院のご案内 | 久里浜医療センター

ゲーム障害への対応方法

ゲーム障害への対応方法①ゲーム、スマホ、ネットの使用制限、②その他の活動での充足に分けられます

①ゲーム、スマホ、ネットの使用制限

(1)ゲーム、スマホ、ネットの使用開始を遅らせる

 習慣的な使用が早いほど、その後の使用時間が長いということが指摘されているため、なるべく使用開始を遅らせる。

(2)ゲーム、スマホ、ネットの使用時間を短くさせる

 使用時間が短く、生活に支障のない範囲で使用している分には問題がないため、適切な使用時間内に収めることが大切です。しかし、子どもの使用時間を親が常に見張っているわけにはいきません。
 各ゲーム会社が、子どもの長時間の使用を抑制するために、各種のツールや設定がありますので、以下にまとめます。
※この情報は2020年5月23日現在のものです。詳細は必ず各社HPから最新の情報を確認してください。 

Newニンテンドー3DS LL

 Newニンテンドー3DS LLには、【保護者による制限機能】というものがあります。 

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【Nintendo HP ニンテンドー3DSの「保護者による使用制限機能」について】より引用

 取扱説明書の【保護者による制限】のページには、制限できることが以下の11項目書かれています。

https://www.nintendo.co.jp/support/3ds/pdf/new3ds_manual.pdf

 オレンジ色にしてある欄が主にゲーム障害、ネット依存の対策として重要な項目です。しかし、ニンテンドーeショップ等での商品やサービスの購入以外の3項目はゲームというよりはネットの制限です。
 ニンテンドーeショップの制限も新たなゲームソフトの購入は制限できますが、すでに購入しているソフトのゲームを制限することはできません。 

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 Newニンテンドー3DS LLにおける時間の制限について

 Newニンテンドー3DS LLには、ゲームの使用時間そのものを制限する機能はありません。
 思い出きろく帳という機能で各ソフトのゲーム時間を把握することはできます。使用時間をルールとして決めた場合、そのルールを守れているかどうかを確認する時に使えます。
 キッチンタイマーなどで子供にも、ゲームの使用時間を把握させ、アラームが鳴ったらゲームをやめるという習慣をつけさせることが重要です。

 

Nintendo Switch

 Nintendo Switchには、【みまもり設定(保護者による使用制限】という機能があります。

みまもり設定(保護者による使用制限)|Nintendo Switch サポート情報|Nintendo

 ニンテンドー3DSと最も異なる点は、事前に決められたゲームの使用時間を過ぎると、親がゲームを中断させられることです(オレンジ色の欄)

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 親がゲームを中断させるためには、NintendoみまもりSwitchというスマートフォンアプリを入れて、1日に遊ぶ時間を設定する必要があります(各曜日ごとに設定できます)。


PlayStation4

 PlayStation4にも、Nintendo Switch同様に遊ぶ時間の制限ができる機能があります。それ以外の制限については、Nintendo SwitchNewニンテンドー3DS LLとそれほど大きな差はありません。

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遊ぶ時間の制限
 遊ぶ制限時間は曜日ごとに設定することもできます。設定した制限時間になると画面にお知らせがポップアップで繰り返し表示されます。時間を過ぎた場合に自動でログアウトさせることもできます。 

(2)ルールを決める

1. なるべくゲーム購入前に決める。
2. 使用時間・場所・金額を決める。
3. ルールを守れなかった時の罰則も決める。
4. ルールや罰則を書面に残す。 

 ルールは親が一方的に押し付けるのではなく、子どもと一緒に話し合って決めることが大事です。また、子どもの年齢や状況に応じてルールはその都度変更可能です。各家庭の実情に合わせて、必要があれば話し合って変更していきましょう。
 ルールを決めたら、それで終わりではなく、そのルールを守ってゲームを使用できるようにすることが必要です。時々子どもとルールを書いた紙を読むのもいいでしょう。

まとめ

 今回は、主に以下の内容を書きました。
・ゲーム障害への対応方法のうち、①ゲーム、スマホ、ネットの使用制限
・その中でも、主に携帯ゲーム機のゲーム使用時間などの機能制限
・ゲーム使用のルールは子供と親が一緒に作ることが大事

②その他の活動での充足や、カウンセリングでできることについては、また別の機会に書こうと思います。

 

参考文献 

ゲーム依存症対策関係者会議 資料1-3

 厚生労働省が2月6日に、ゲーム依存症対策関係者連絡会議の初会合を都内で開催しました。
 この連絡会議には経済産業省内閣府など関係府省の課長級に加え、オンラインゲームの業界団体や医療関係者らが参加し、実態把握や対策の在り方を検討しました。
 非常によくまとまっていますし、国や厚生労働省の考え、今後の支援の方向性が分かるので、特に学校関係者や支援をする側の人は一読してみてはいかがでしょうか。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000202961_00004.html

 

こちらにもゲーム依存について書いています。合わせてご覧ください。

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オンラインカウンセリング始めました

オンラインカウンセリングを始めたきっかけ

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 緊急事態宣言により対面カウンセリングを一時中止していました(5月7日から再開)。このコロナ禍による外出自粛はおそらくある程度継続していくのではないでしょうか。
 このような状況下ですので外出せずにカウンセリングが受けられるように、当オフィスではオンラインカウンセリングを始めました

 オンラインカウンセリングと聞くと、あなたはどのような印象を持ちますか?
移動がない分ラク、直接会うより気軽に申し込めそうと良い印象を持つ人もいれば、直接話すのに比べると話しにくそう、カウンセリングって直接会って話すから大事なんじゃないの?と、少し抵抗感がある人もいると思います。
ですが、オンラインカウンセリングを始めてみてのあくまでも個人的な感想としては、対面カウンセリングとは異なるという点ももちろんありますが、思っていたよりも対面でのカウンセリングと変わらないなという実感です。

オンラインカウンセリングは対面カウンセリングとは違う?

 上記にも書きましたが、カウンセリングを受けようかと考えている人の中には、このコロナ禍で外出することが出来ない人もいます。

例えば、

・会社から自宅待機を命じられている
・リモートワークになって、いつ会社から電話がかかってくるかわからない
・子どもや家族が、学校休校、在宅勤務になって家にいるから出られない
・カウンセリングオフィスまでの移動によって新型コロナに感染するのが怖い

 このような人達にはオンラインカウンセリングというのは非常に便利なツールになります。
 しかし、オンラインでのカウンセリングだと、実際に会って行うカウンセリングと違うのではないか、話しにくいんじゃないかと思って、カウンセリングを受けるハードルがさらに上がって、カウンセリングへの申し込みを躊躇している人も少なくないでしょう(そもそもカウンセリングを申し込むことへの心理的ハードルが高いと言われています)
 また、オンラインカウンセリングに申し込んでもらうハードルを上げている要因はカウンセラー側にもあるのかもしれません。
オンラインカウンセリングが多くのところで始められたことで、様々な形でカウンセリングの対面とオンラインという形態の違いによるメリット・デメリットが情報発信されるようになりました。
 その中でも、対面でのカウンセリングに比べて、オンラインカウンセリングでは非言語コミュニケーションの情報が少なくなってしまう(変わってしまう)ことが言われています。
具体的には、

  • カメラの画角の範囲しか見えない
  • カメラやディスプレイの性能によっては表情やしぐさが見にくい
  • マイクやスピーカーの性能によっては声の聞こえ方が変わってしまう
  • 声の大きさをPCの音量で変えられてしまう

 非言語コミュニケーションとは、言葉以外の手段により行われるコミュニケーションの事です。
五感に分けて説明すると、
・視覚:表情、顔色、視線、まばたき、明るさ
・嗅覚:香り、におい
・味覚:味
・触覚(身体):うなずき、ジェスチャー、しぐさ(腕や足を組む、髪やあごを触る)、呼吸、握手、温度、湿度 
・聴覚:声のトーン、大きさ、明瞭さ、抑揚、声質
・五感以外:服装、化粧、アクセサリー、距離感、位置関係

 例えば、PCのディスプレイの明るさや色味の設定を変えると、顔色が変わって見えますし、音量を大きくすれば、小さな声で話していたとしても大きく聞こえます。
 この点は非常に重要な点で、どうしても対面カウンセリングに比べると損なわれるところではあります。しかし、このようなデメリットの強調によって、カウンセリング申し込みへのハードルが上がってしまっているのであれば、それはもったいない気がします。

オンラインカウンセリングを最近始めたカウンセラーの実感

 一言で言うと、思っていたよりも対面でのカウンセリングと変わらないな、より正確に言うと、対面カウンセリングとは異なる部分もあるけど、オンラインカウンセリングとしての良さがあるだろうというのが、これまでの実感です。主な実感は以下の3点です。

①画面に見えている部分に集中できる

 当オフィスは面接室が3部屋あり、椅子とテーブルのお部屋と、ソファのお部屋があります。面接室の様子はこちらをご覧ください。
相談室内のご案内 やまき心理臨床オフィス 
 ソファの部屋の場合、座っているほぼ全身が見えます。しかし、オンラインカウンセリングだと、ほとんどの場合、上半身しか見えません。人によっては肩くらいまでしか見えない人もいます。手も下げていると見えないことが多いです。
 姿勢やボディランゲージといった体の動きも非言語コミュニケーションの大切な一部なので、見えないことはデメリットにもなります。しかし、見えない部分があるからこそ、PCの画面に見えているクライアントの表情により集中できるという側面があるように感じます。
 ”見えていないもの”をいくら気にしても見えるようにはなりません。”見えていないもの”があるからこそ、見えている部分をより見ようとするという良い面もあります(もちろん、見えていないものがあるという認識を忘れないことが大切です)

②どのように見えているかにより意識がいく

 身振り手振りで説明する時は、画面を通してみることを意識してよりわかりやすい表現を考えるようになります。

③聴くことをより意識する

 マイクやスピーカー、通信環境が良ければかなりクリアに声は聞こえますが、それでもやっぱり生の声とは異なります。そのため、いつもよりも聴くことに意識がいきます。

 気を付けないといけない点

 やはりオンラインカウンセリングには対面カウンセリングにはない、気を付けないといけない点がいくつかあります。
 これらのことをしっかりと意識しながら、オンラインカウンセリングを行うことが重要です。

お互いの使用機器 

 マイク、カメラ、ディスプレイ、通信環境などによって、見え方や聞こえ方が大きく変わってしまいます。

今までであれば、

カウンセラーの声⇒クライアントの耳

と届いていた声が

カウンセラーの声⇒カウンセラー側のマイク⇒クライアント側のスピーカー⇒クライアントの耳

と届くことになります
対面のカウンセリングにはなかった、聞こえ方に影響する要因が多くあるため、それらを知っておくことが大切です。

部屋の環境

 自宅にいて話す方がリラックスできて話しやすい側面もあるかもしれませんが、当オフィスまで来て、オフィスの面接室で話す内容とは異なるかもしれません。視界に入るものが自分の部屋だと、ふと目に入ったものに影響されて話すことが変わることもあるかもしれません。

ツールの準備

 パソコンを立ち上げたり、使う通話ツール(Zoom、Google Meet、Skype等々)によっては事前にダウンロードが必要なものもあります。初めて使う時は「ちゃんと繋がるだろうか」という心配もあるかもしれません。

今回のまとめ

  • 対面カウンセリングとオンラインカウンセリングには異なる点がある
  • 異なる点を意識しながら行うことが重要
  • 自宅にいながらカウンセリングを受けられる点が最大のメリット

 対面カウンセリングとは異なる部分ももちろんありますが、このような状況ですので、カウンセリングを受けたりけど、移動して行くのはちょっと・・・、という方はオンラインカウンセリングをお申し込みください。

www.yamakioffice.com

インターネット依存・ゲーム障害への心理支援

インターネット依存・ゲーム障害への心理支援研修中止

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先週に「東京公認心理師協会研修『大会2019』の中止」について書きました。

sinri-psychology.hatenablog.com

 それと同様に、本日(3月15日)行われる予定だった「インターネット依存・ゲーム障害への心理支援」も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止の観点から実施が見送られました。
 インターネット依存やゲーム障害は今後増えていくと思われるので、是非とも参加したかったのですが、この状況では仕方ないですね。
 研修が中止になってしまったので、その代わりにはならないですが、インターネット依存・ゲーム障害についてまとめてみたいと思います。

インターネット依存・ゲーム障害

 インターネットやスマートフォンタブレットPC、オンラインゲーム、SNSなどの急速な広がりにより、それらを長時間使用し、依存する人が出てきました。それにより学校や会社に行けない人も現れ、社会問題化してきました。

診断基準

DSM-5:インターネットゲーム障害

 このような情勢を受けて、アメリカ精神医学会はDSM-5の「今後の研究のための病態」において、「インターネットゲーム障害」(internet gaming disorder)という研究用診断基準を設けています。
 「今後の研究のための病態」は、公式な精神疾患診断として採用するための証拠が不十分であるため、診断基準として臨床においては用いることができない。しかし、今後の研究が推奨されるため、研究用診断基準が設けられたものをいいます。
 つまり、以下に示す基準は正式な診断基準ではなく、あくまでも研究用の診断基準です。

インターネットゲーム障害の研究用診断基準

臨床的に意味のある機能障害や苦痛を引き起こす持続的かつ反復的な、しばしば他のプレーヤーとともにゲームをするためのインターネットの使用で、過去12か月の間に 以下の項目のうち、5つ以上が当てはまる

  1. インターネットゲームへのとらわれ(過去のゲームに関する活動の事を考えるか、次のゲームを楽しみに待つ;インターネットゲームが日々の生活の中での主要な活動になる)
  2. インターネットゲームが取り去られた際の離脱症状(これらの症状は典型的には、いらいら、不安、または悲しさによって特徴づけられるが、薬理学的な離脱の生理学的徴候はない)
  3. 耐性、すなわちインターネットゲームに費やす時間が増大していくことの必要性
  4. インターネットゲームにかかわることを制御する試みの不成功があること
  5. インターネットゲームの結果として生じる、インターネットゲーム以外の過去の趣味や娯楽への興味の喪失
  6. 心理社会的な問題を知っているにも関わらず、過度にインターネットゲームの使用を続ける
  7. 家族、治療者、または他者に対して、インターネットゲームの使用の程度について嘘をついたことがある
  8. 否定的な気分(例:無力感、罪責感、不安)を避けるため、あるいは和らげるためにインターネットゲームを使用する
  9. インターネットゲームへの参加のために、大事な交友関係、仕事、教育や雇用の機会を危うくした、または失ったことがある 

DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアルより引用) 

 DSM-5では、インターネットゲーム障害について以下のような記述が見られます。

<診断的特徴>
・インターネットゲーム障害は、ゲームに対する制御の欠如の進行性、耐性、および離脱症状など、認知、行動面での一連の症状につながるような過剰かつ長期化するインターネットゲームしようの様式であり、それは物質使用障害の諸症状に類似する。
・ほかの活動は無視するにもかかわらず、ゲーム活動は1日あたり8~10時間あるいはそれ以上、週あたり最低30時間がこの活動に向けられる。
・ゲームに戻ることを禁じられると、いらいらし、怒り始める。
<鑑別診断>
・オンラインゲームの使用を含まない過剰なインターネットの使用(例:フェイスブックなどのソーシャルメディアの過剰な使用)はインターネットゲーム障害と類似のものとはみなされない。
・オンラインでの過剰なギャンブルはギャンブル障害という別の診断が適当である。

ICD-11:ゲーム症(障害)

 WHO(世界保健機構)が作成している国際疾病分類の次の改定(ICD-11)において、「ゲーム症(障害)(Gaming disorder)」が正式な疾病として認定されました。
ICD-11ではゲーム症(障害)は、以下のように分類されています。

物質使用症(障害)群または嗜癖行動症(障害)群
 嗜癖行動症(障害)群
  ゲーム症(障害)
   ゲーム症(障害)、主にオンライン
   ゲーム症(障害)、主にオフライン
   ゲーム症(障害)、特定不能
物質使用症(障害)は、アルコールや大麻覚せい剤、ニコチンなどの使用による障害、他の嗜癖症(障害)は、ギャンブル症(障害)、嗜癖行動症(障害)があります。
分類については、日本精神神経学会ICD-11新病名の草案が分かりやすくまとめられています。
https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/ICD-11Beta_Name_of_Mental_Disorders%20List(tentative)20180601.pdf

ゲーム症(障害)(Gaming disorder)の診断基準

 持続的または反復的なゲーム行動(「デジタルゲーム」または「ビデオゲーム」、それはオンラインすなわちインターネット上、またはオフラインかもしれない)の様式(パターン)によって特徴づけられる。

  1. ゲームをすることに対する制御の障害(例:開始、頻度、強度、持続時間、終了、状況)。
  2. ゲームに没頭することへの優先順位が高まり、他の生活上の利益や日常の活動よりもゲームをすることが優先される。
  3. 否定的な(マイナスの)結果が生じているにもかかわらず、ゲームの使用が持続、またはエスカレートする。

 その行動様式は、個人的、家庭的、社会的、学業的、職業的または他の重要な機能領域において著しい障害をもたらすほど十分に重篤なものである。
ゲーム行動の様式は、持続的または一時的そして反復的かもしれない。
ゲーム行動および他の特徴は、診断するために通常少なくとも12ヶ月の間にわたって明らかである。しかし、すべての診断要件が満たされ症状が重度であれば、必要な期間は短縮するかもしれない。

ゲーム依存症 - Wikipedia 

これをまとめると、以下のようになります。

  • ゲームをすることをコントロールできない(頻度が多い、時間が長い、止められない、どんな状況でもやってしまう)
  • 日常生活よりもゲームを優先する
  • 健康や勉強、仕事などに問題が起きてもゲームを続けるまたはエスカレートする
  • 家族や社会、学習、仕事に重大な支障が生じている
  • 上記の状態が1年以上続いている(しかし、すべての条件に当てはまり、症状が深刻な場合、1年未満であってもゲーム障害と診断される場合がある) 

DSM-5とICD-11の基準の違い

個人的な理解に基づくものですが、以下のような違いがあるように思われます。

  • DSM-5は研究用診断基準ですが、ICD-11の基準よりも項目が多く、さらに記述が具体的なので内容が分かりやすい
  • DSM-5ではインターネットを介して、人々が集団で行うゲームを主に想定していると思われる。そのため”インターネット”ゲーム障害としているのだろう。ICD-11では、インターネットを介しているかどうかは関係ないようです。そのため、下位分類で、”主にオンライン”、”主にオフライン”と分類しているのだろう。
  • DSM-5のインターネットゲーム障害では、オンラインゲームの使用を含まない過剰なインターネットの使用との鑑別診断を書いていますが、過剰なインターネットの使用がどの診断に当てはまるのかは書いていないので、わかりませんでした。

 まとめ

  • DSM-5では、インターネットゲーム障害(internet gaming disorder)
  • ICD-11では、ゲーム症(障害)(Gaming disorder)
  • ゲームをコントロールできなくなり、本人や家族に支障が出ている状態

 ゲーム障害は新しい概念であるため、支援者が不足しています。ゲーム障害の予防や心理支援については、次回のブログで紹介しようと思います。

新型コロナウイルスにより相次ぐ研修会の中止

新型コロナウイルスの影響で研修会が中止に

 本日3月8日(日)に予定されていた研修『大会2019』が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止の観点から実施が見送られました。

この研修は以下のような趣旨で行われるもののようです。

2年に一度開催する職能団体としての大規模総合研修会を下記の日程で開催いたします。
今回の大会は公認心理師臨床心理士を正会員とする東京公認心理師協会としての初めての大会となります。
すでに公認心理師制度のもと新たな要請が寄せられていますが、これまで培ってきたものを発揮しながら応えていくことが期待されます。
「これからの心理支援」について、公認心理師臨床心理士が一同に会して共に考える時間にいたします。 

 元々この研修は2019年10月13日(日)に予定されていました。しかし、台風19号の接近に伴い、十分な安全確保ができないおそれがあること、交通機関に相応の影響が見込まれることなどから開催が見合されました。そして、2020年3月8日(日) に延期になったという経緯がありました。
 厚労省が2月20日(木)に「イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ」を出しました。イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ
 それを受けて、新型コロナウイルスの感染防止の観点から、東京公認心理師協会が2月22日(土)に『大会2019』を含めた今年度内の研修会の実施をすべて見送ると発表しました。一般社団法人 東京臨床心理士会 | お知らせ
 台風で延期になった研修を今度は中止にするという判断は難しかったと思いますが、なかなかに迅速な対応だったのではないでしょうか。
 返金のお知らせもすぐに送られてきました。『大会2019』の募集定員は700名なので、返金作業もかなりの手間でしょうね。

 自分が申し込んでいた他の研修会も中止になりましたし、周囲のカウンセラーが参加するはずだった学会等が中止や延期になっているという話もたくさん聞きました。その一方で、オンラインで行う研修や5月以降の研修の情報が少しずつ出てきました。

臨床心理士資格更新はどうなる?

 臨床心理士の資格は5年ごとの更新制で、5年間に15ポイント以上を取得する必要があります。
臨床心理士資格認定事業 | 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会
 『大会2019』もこのポイントになると思われますし、日本臨床心理士会との共同主催なので、おそらくポイントの区分でいうと②のポイントになるのではないでしょうか。もし、今年度資格更新する人で、この『大会2019』に参加することで15ポイント以上になる人がいた場合、資格更新はできるのでしょうか?更新期間を延ばすか、代替研修を受けされるかなど、何かしらの特例措置はあるのでしょうか?

今後の研修や勉強会について

 今年度の研修会や勉強会の中止や延期のお知らせがこの1~2週間で一気に出ましたが、その一方で5月以降開催のお知らせも出始めています。
 この状況がいつごろ収束するのかはいまのところ見通せない状況なので、みなさん5月以降の研修会も申し込みにくいと思います。
 延期になった場合、その延期日に他の予定がすでに入っていて参加できるとは限らないですし、返金の場合は手続きも手間ですよね。近場の研修会で手軽に参加できるものであればまだいいですが、遠方から来る方は新幹線や宿のキャンセルの手間もあるし、場合によってはキャンセル料が発生します。小さいお子さんがいらっしゃる方だと何回も予定が変わると参加が難しくなるかもしれません。
 最近では、Zoomなどでのオンライン研修会もあるようですが、資格更新ポイントが発行されるものでは実施は難しいかもしれないですね。Zoomミーティング - Zoom
 今はとにかく各個人ができる対策をしつつ、なるべく早く収束に向かうことを願うばかりですね。